起業して業績も順調になってきたので、節税のためにも法人を設立しようか迷っているあなた。
でも拠点はバーチャルオフィスなので、法人登記なんてできるのかと心配なあなた。
バーチャルオフィスでも法律的にも問題なく、法人の設立登記はできます。
但し、当社のバーチャルオフィスでは法人登記は当然無料でできますが、他のバーチャルオフィスでは有料であったり、まったく登記ができないこともありますので、将来法人登記を考えている方は、初期のバーチャルオフィス選定にも注意が必要です。
また、登記住所は名刺やホームページにも記載されるので、登記を行う住所はできればネームバリューのある、わかり易い場所を選びたいものです。
特に、起業初期段階は、企業の内容で勝負とはなかなかいかないものですから、せめて住所だけでも信用力のあるところを利用したいものです。
例えば名刺を出した時、「銀座ですか!」などと軽い驚きを感じてもらえるかもしれません。
又、事務所の住所での話題で盛り上がった時にも、バーチャルオフィスのある住所の周りのいろいろな情を事前に仕込んでおけば、より親近感を持ってビジネスの話も円滑に進むかもしれません。
バーチャルオフィスであっても法人登記は可能だということが分かりました。
では、そもそも法人登記とはどんなことなのでしょうか?
こちらでは商業登記や法人設立についての解説や注意点などを解説していきます。
商業登記制度の趣旨
なぜ登記の制度が必要なのでしょうか…?
こちらではそんな登記についての基礎知識を解説していきます。
バーチャルオフィスを使って登記を検討している初心者起業者様は必読の内容です。
・そもそも登記とは…?
・登記はした方が得なのか?
・どこで登記が出来るの?
…などなど、登記についての基礎知識をご紹介していきます。
登記をする目的とその効果
登記には,「会社登記」、「不動産登記」、「債権譲渡登記」、「動産譲渡登記」などがあります。
これらの主たる目的は「情報開示」にあります。
それぞれが行う取引において取引の判断のための資料として重要事項を事前に登録しておいて、だれでもそれを見ることにより取引が円滑に又安全に行われるようにしようとしたものです。
取引の際、相手の会社の内容や取引権限をだれが持っているのかなどの事項を個人が調査することは大変困難ですし、経済的にも大きな負担がかかります。
又取引の相手方もこちらの内容がわからないと取引をしてよいかなどの判断すらできませんので当然こちらの内容を調査することになりますがやはりそれにはいろいろと困難があります。
そのため、基礎的な重要な事項(社名、住所、どのような事業を行っているのか、資本金額、代表者名や代表者住所、これらが変更になった場合はその事実など)を事前に登録し公示しておくことにより、取引関係者すべてがその情報をもとに判断したり安心安全に取引を行うことが可能になるための制度です。
登記の効果
事前に重要な事項を登録し公示することにより、取引の相手が公示されている重要な情報を知らないで間違って取引をしたので取引自体が無効であるなどの主張をしてもそのようなことは認められません。
公示されている情報はだれでも見ることが可能であることから、その事項はだれでも知っているとの前提で考えられるので、ウッカリ見落としたとしても見落とした方の責任になります。
だれでも知っている前提で取引が行われますので、その情報に誤りがあったり虚偽の情報であることはその前提が崩れることになるので、故意または虚偽で誤った情報を登記した場合は厳しく罰せられることはもちろんですが、誤った情報で取引が行われ損害が出た場合はすべて誤った登記をした者の責任になり損害を賠償しなければならなくなります。
登記の場所について
このように重要な情報を公的なところに登録し公示する場所が各地の法務局(登記所)です。
会社登記を例にとりますと、会社がある場所を管轄する法務局に決められた情報を登録することになります。
その情報を見ようとするときは、管轄の法務局に行き【登記事項証明書、登記簿謄抄本交付申請書】に知りたい会社の法人名や本店の住所を記入ます。
【登記事項証明書】
※画像クリックで拡大します。
【登記謄本妙本交付申請書】
※画像クリックで拡大します。
窓口に提出すると下記のような事項を記載した【履歴事項全部証明書】が交付されます。
【履歴事項前部証明書】
※画像クリックで拡大します。
※弊社の情報が含まれておりますので一部モザイクをかけてあります。
〇商号
〇本店
〇広告をする方法
〇会社成立の年月日
〇目的
〇発行可能株式数
〇発行済み株式の総数並びに種類及び数
〇株券を発行する旨の定め
〇資本金の額
〇株式の譲渡制限に関する規定
〇役員に関する事項
〇取締役会設置会社に関する事項
〇監査役設置会社に関する事項
○登記記録に関する事項
これら情報は、証明書を交付された日の情報になりますので、タイムラグによる事故などもほとんどありません。
これらの情報をもとに取引の判断や取引をすることによりより安心安全な取引が可能になります。
法務局(登記所)
法務局は法務省の地方機関で、登記、国籍、戸籍、供託などの人権擁護、法律支援、国の訴訟事務を処理するための機関です。
全国を8ブロックに分けて法務局を置き、県庁所在地などには地方法務局(42か所)が置かれております。
地方法務局の事務処理を分割管理するために支局を置き、さらに支局の事務処理を分割するために出張所を設けております。
東京法務局の中には東京都とそれ以外水戸、宇都宮、前橋、さいたま、千葉、横浜、新潟、甲府、長野、静岡の10箇所の地方法務局が設けられております。
バーチャルオフィスのある東京都中央区は東京法務局の直接の管轄になり、中央区以外千代田区、文京区東京都に属する八丈島町などの島も管轄しております。
東京法務局
東京都千代田区九段南1-1-15 九段第二合同庁舎
東京法務局に関する詳細は下記よりご覧ください。
法人登記のメリット・デメリットについて
「信用のため」、「取引に法人であることが必要条件」、「税金が安くなるから」、「融資や資金を集めることができる」、「法人のほうがカッコイイ」など法人を設立する動機はいろいろあるかとは思いますが、ここで法人設立の【メリット】、【デメリット】をまとめてみます。
法人登記を行うことで考えられるメリット
1)個人の申告所得が600万円以上になる人は、設立により税金が安くなる
2)給与所得控除の適用があり税金が安くなる
3)いろいろな経費を事業の経費として計上できるので税金が安くなる
4)役員退職金による節税効果と老後の生活資金の捻出ができる
4)家族による所得分散で節税になる
5)妻の財産形成、相続対策
6)設立1期目の消費税が免除されるので税金が安くなる
7)企業によつては法人でないと取引をしないところがあるので取引条件を満たすことができる
8)対外的に信用力が増す
9)金融機関などからの融資や取引が容易になる
10)株式の発行や社債の発行などで事業資金を集めやすくなる
11)社会保険に加入でき労働条件の向上により人材募集や人材の定着に好影響
…以上となります。
【メリット】の大半は税金が安くなること、信用力が増すことがあげられます。
法人登記を行うことで考えられるデメリット
1)事業所得が赤字であっても、法人住民税均等割りの支払い義務
2)経費として使った交際費が全額経費にならない場合がある
3)社会保険の加入により1/2を会社が負担分しなければならない
※法人はすべてが強制適用事業所になり1人でも加入義務
個人事業は5人以上の従業員がいる場合強制適用事業所
4)税務申告、社会保険事務、労働保険事務など事務量が増える
5)事務量の増加と専門性が要求されるため税理士等専門家の費用が掛かる
6)役員の変更、会社の解散、事業の清算など登記事務が必要になる
…以上となります。
【デメリット】としては事務量の増加とそれに伴う費用の増加、社会保険料、労働保険料などの負担があります。
これらの【メリット】、【デメリット】を検討し法人化の方がメリットが大きいということであるなら法人設立を進めましょう。
法人設立登記の方法や費用
法人の種類には営利目的(利益追求型)と非営利目的(利益追及でなく世のため人のため型)の法人があり、その中でもよく見たり、聞いたりする株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などについてご説明いたします。
株式会社 | 合同会社 | 一般社団法人 | NPO法人 | |
事業目的 | 自由 | 自由 | 自由 | 特定非営利活動 収益事業も可 |
設立手続き | 登記 | 登記 | 登記 | 登記と所轄官庁の認証 |
資本金 | 1円以上 | 1円以上 | 0円 | 0円 |
定款認証費用 | 40,000円 電子認証0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
登録免許税 | 150,000円 | 60,000円 | 60,000円 | 0円 |
設立必要人数 | 1人以上 | 1人以上 | 2人以上 | 10人以上 |
役員の任期 | 2~10年 | 任期なし | 理事2年内 監事4年内 | 2年 |
税制 | 全所得課税 | 全所得課税 | 「非営利型」 原則非課税 住民税均等割–課税 収益事業–課税 「営利型」 全所得課税 | 非課税 住民税均等割–課税 |
特徴 | 所有と経営の分離上場可能配当は持ち株比率 | 所有と経営一致 | 利益配当は不可役員報酬についての規制なし | 利益配当不可 役員報酬についての規定あり |
株式会社と合同会社の比較
利益追求型法人で一般的な形態としては、株式会社や合同会社の形態があります。
勿論、非営利追及型のNPO法人の設立もかなりあり、当社バーチャルオフィスでもご利用NPO法人もかなりの件数になります。
株式会社
1)信用度が比較的高い
金融機関の融資、株主募集
2)最高意思決定機関
株主総会
3)業務執行機関
取締役会
4)取締役の任期
2年~10年
5)決算書類の公告義務
有り、官報の場合6万円
合同会社
1)2006年から始まった形態で馴染みがなく、信用度はあまり高くない
2)最高意思決定機関
出資者(社員総会)出資者の権利が明確でなく、新規加入の場合全員の同意必要
3)業務執行機関
出資者 迅速で柔軟な経営が可能
4)社員の任期
なし
5)決算書類の公告義務
なし
株式会社と合同会社
将来的にもあまり大企業指向でなく、スモールビジネスだけれどオンリーワンの企業を目指す方などにはお手軽でコスパの良い合同会社の形態がお勧めです。
個人事業を法人化する場合、法人化のメリットの内、節税や信用を受けるためにする場合が多いことから法人化の費用や事務量を考えると合同会社の形態は適しているのではないでしょうか。
合同会社は出資者であり会社の経営を行う役員を「社員」といいます。
社員は出資が前提になります。
株式会社の場合は経営を行なう者を役員=取締役と呼び、出資が前提でありませんのでその会社の株式を持っていない、株主でない場合もあります。
(株主で経営者の場合もあります)
但し、合同会社の場合、創業者以外の経営者=役員を作ろうと思うと、増資を前提とした役員=社員の増員手続き(増資の登記手続き)が必要になり、出資が前提とならない株式会社の方が役員を増員する場合は簡単にできます。
資金調達のための、融資、増資、社債の発行は株式会社、合同会社いづれも行うことができますが、規模や信用の面では若干合同会社は不利になるかもしれません。
増資の場合も株主会社の場合は、取締役=株主ではありませんので、広く株主の募集を行うことが可能ですが、合同会社の場合は社員に限定して増資を行うようになりますので、株式会社に比べますと増資が困難な傾向があります。
法人設立の際の決定事項と会社設立の経過
設立に際し決めておく事項と注意点
1)社名
類似照合や商標登録の確認
2)資本金
1円~
ただし金融機関での融資の際に上限金額は自己資本の2倍までになる。
少額だと信用が低い。
3)事業目的
実際行う事業、将来行う事業を事業目的とする
目的変更登記印紙代 3万円
目的が多すぎると信用的に問題
4)株主構成
定款の変更や重要事項の決定には株主の2/3以上の同意が必要
取締役の変更、利益配分にも影響がある
5)役員
1名以上
監査役はいなくても可
6)本店所在地
定款には最小行政区画までを記載する
※自宅に本店を置くメリット、デメリット
(メリット)
〇本店のための事務所に新たな投資が必要ない
〇事業所移転の際新たな登記の必要がない
〇行政などからの融資が有利になる
〇家賃や水道光熱費等の経費の計上が可能
(デメリット)
〇個人宅に本店があるため会社の規模を過小評価されるなど信用面で不利
※バーチャルオフィスに本店登記の問題点
〇社会保険や労働保険の加入ができない場合がある
〇2012年以降預金口座開設が厳しくなっている
〇業務実態がわからないため金融機関等からの信用獲得に難がある
※本店移転登記の印紙代
現在登記している登記所管内から同一管内への移転 3万円
〃 登記所管内から同一管内外への移転 6万円
7)会社設立日
登記所に申請書を提出した日
8)決算日
決算期により消費税の課税関係に変化あり
※消費税
設立1期目→免税
設立2期目→1期目の前半6か月間の売り上げと給与総額が1,000万円以下の場合→免税
9)会社が発行できる株式数
10)役員の任期
2年~10年の間で任期を定める
役員の変更登記印紙代 1万円
11)定款の作成
定款の電子認証の場合は認証料0円
それ以外は4万円
12)公証役場での定款認証
認証料 5万円
13)登記申請書類の作成
14)法務局での登記申請
15)登記完了後税務署等の開業届、青色申告届
法人登記申請時、登記完了後に行うこと
登記申請時の注意点
1)登記申請は代表取締役が行い、代理人が行う場合は委任状が必要
2)本店所在地の管轄登記所に取締役、監査役の調査後2週間以内に申請する
3)登記申請期限 — 2週間以内
- 設立登記
- 発起設立の場合は設立時取締役による会社手続きに関する調査が終了した日又は発起人が定めた日いずれか遅い日から
- 本店住所変更登記
- 本店を移転した日から
- 役員変更登記
- 定時株主総会で決議された場合は、総会の翌日から、それ以外の場合は選任された日の翌日から
- 法人の解散登記
- 解散の日から2週間以内に「解散と清算人選任」の登記
- 商号変更登記
- 商号の変更日として定めた日から
- 目的変更登記
- 定時株主総会で定款変更が承認された日の翌日から
- 資本金の変更登記
- 株主総会の決議で定めた増資、減資の効力発生日から
登記完了後に行うこと
1)税務署
①法人設立届の提出
②青色申告の承認申請書の提出
③給与支払事務所等の開設届書の提出
④源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書の提出
※源泉税を年2回、7月~12月の分を1月20日までに1月から6月までの分を7月10日に納付することができる特例制度
2)各都道府県税事務所、市町村役場
○法人設立届書の提出
申請書類の形式、提出期限は各自治体により異なりますので確認してください。
東京都23区内に本店がある場合は都税事務所のみに提出する。
3)年金事務所
(代表者1人から社会保険の加入が必要になります。)
社会保険とは健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険・介護保険の総称です。
①健康保険・厚生年金保険新規適用届の提出
②健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出(従業員を雇用した場合)
③健康保険」被扶養者(異動)届けの提出
(新たな加入者に被扶養者がいる場合又は被扶養者の追加、変更等の場合)
4)労働基準監督署
設立後従業員を雇用した場合労働保険(労災、雇用保険)の加入
①労働保険 保険関係成立届書の提出
②労働保険 概算保険料申告書の提出(保険関係成立届提出後50日以内に)
③就業規則(変更)届の提出(従業員が10名以上になった場合、変更した場合)
④適用事業報告書(労働者を雇い入れた場合)
5)ハローワーク雇用保険の加入
①雇用保険適用事業所設置届の提出(従業員を雇用した翌日から10日まで)
②雇用保険被保険者資格取得届お提出(従業員を雇用した翌日から10日まで)
会社設立の疑問・不安
1)会社設立の期間
〇自分で行う場合 — 3日~4日
〇専門家依頼の場合 — 1日
※登記所に申請書提出後、特段の問題がなければ15日程度で登記が完了し、
会社登記簿謄本や会社印鑑証明書の請求可能
※特段の問題がある場合は登記所より連絡がありますので対応する。
又は登記申請補正日に補正がないか登記所に確認してください。
2)会社設立の費用
【株式会社】
登録免許税 150,000円
定款認証(公証人役場) 50,000円
定款印紙代 40,000円(電子認証・専門家作成の場合は0円)
司法書士等の手数料 50,000円前後
〇自分で行う場合 240,000円
〇司法書士等の場合 250,000円
【合同会社】
登録免許税 60,000円
定款印紙代 40,000円(電子認証・専門家作成の場合は0円)
司法書士等の手数料 40,000円前後
〇自分で行う場合 100,000円
〇司法書士等の場合 100,000円
法人登記を手数料無料で行うことができるバーチャルオフィス東京・銀座
バーチャルオフィス東京・銀座が提供する住所にて法人登記を行う場合、その手数料は無料となっております。
気軽に法人登記が出来ますし、登記についての疑問質問などもスタッフより詳細に解説させていただきます。
法人登記について疑問などございましたら下記お問い合わせよりお問い合わせください。