税務調査で指摘されると脱税になる可能性があります

申告納税制度

昨年はコロナ禍の影響で税務調査が幾分少なかったそうですが、今年度は本格的に行っているとの噂があります。

自分のところは、売上もそれほど多くないし、決算も赤字続きなので税務調査は絶対ないと安心していているところに、突然税務署から『◯月◯日、調査に伺います』などと連絡があったら心臓が止まるほどびっくりしますよね。

我が国の、税制は申告納税制度を取っておりますので、所得のあった人は自分で収入、支出を計算して所得金額を計算し、その所得金額にかかる税金を納税することになっております。

自分で計算をして自分で税額を出して納税をしているので、間違って計算をしてしまったり、故意に、所得金額を少なくして納税をごまかしている人もおります。

そのため、税務署は適正な申告がなされているかどうかを、時々調べに来て、帳簿や領収書、預金通帳などの資料を提出してもらい、申告に誤りがないか調べるとともに、正確な申告のための指導を行うのです。

国税庁の査察部、いわゆる『マルサ』による強制調査以外、所轄の税務署が行う税務調査は任意で行うもので、強制的に事務所や家の中の机や家具を開けて資料や証拠を探すようなことはいたしません。

税務調査に必要な帳簿や資料についても、必ず納税者の同意を取った上で提出することになりますので、税務調査に関係がないようなものの提出を求められた際は、その資料が税務調査に必要なものであるかの説明を求めて、納得の上で提出することになりますので納得しない場合は断ることも可能です。

税務調査で指摘されると脱税になる可能性がある行動

税務調査が始まって、帳簿や領収書、請求書、預金通帳などの資料を見ながら、申告書とのチェツクをしていき、間違いがないかを確認していきます。

その際によく指摘されます事項がいくつかありますのでご説明いたします。

◯食事代や一人で使用した喫茶店代の費用

個人の事業主が一人で使用した食事代や家族で使用した食事代は、原則事業に関する経費になりませんし、個人は必ず食事をするものであるとの理由で認められておりません。

最近、個人で事業をしている方の中には、事務所でなく喫茶店やファミリーレストランなどで仕事をしている人を見かけますが、この際も一人で利用している場合は注意が必要です。

あくまで、仕事をするためのスペースとしてこれら喫茶店を利用しているので、最低限の飲み物程度の費用であれば、仕事のための費用として認められますが、食事代などが含まれた場合は、経費として認められない可能性が高いです。

また、家族との食事代などももちろん経費として認められませんが仕事のためにお客様と食事した場合は、交際費として認められますが、その際にもご自分の分に関してはその金額から控除した残額が認められます。

しかし法人の交際費における代表者の食事代は全額交際費で認められますので個人事業者との取り扱いの異なるところです。

また法人でも同様ですが、交際費などで飲食代などの支払がある場合の領収書には、参加者のお名前やどのような目的のための交際費であったかなどのメモを残すよう言われており、そのメモがないことにより経費として認められない場合もあるそうです。

◯旅行の費用

従業員の社員旅行として使用した費用は、原則福利厚生などになり経費として認められますが従業員として、家族を参加させた場合の費用は経費にはなりません。

そのため、社員旅行であるとのことを説明するためにも、旅行の詳細な日程表、参加者のリストなども作成することが必要です。

また、家族など事業に関係ない方の参加があった場合はこれらの人にかかる適正な金額を総額の費用から控除したものを計上する必要があります。

海外社員旅行に関しては、国内旅行と違い厳しい条件があり次の条件を満たすものでなければなりません。

 ①1人当たりの費用が10万円以下であること

 ②現地滞在(機内泊を除く)が4泊5日以内であること

 ③旅行に参加した人数が全体の50%以上であること
 
 ④社会通念上妥当な費用であること

 ⑤自己都合で参加しなかった者に代償として旅行代金相当額の支給をしないこと

これらの条件を満たさない社員旅行は福利厚生費として計上できませんので、給与などとして計上し、これにかかる源泉所得税の負担が新たに求められます。

◯私物を購入した費用の計上

事業主や会社の役員などが自分のために、時計やバックなど私的な物品を購入し、その経費を税務申告の際経費計上している場合は、事業必要なものでないとのことからもちろん経費にはなりませんし、場合によりましては給与や役員賞与にされることがあり、給与とされた場合は新たに源泉所得税の負担が求められますし、役員賞与とされた場合は経費にもならない上、その役員に源泉所得税の負担が求められます。

しかし、業務で必要なバッグを購入した場合は、当然消耗品費又は高額のものであれば資産として計上することができます。

しかし、そのバッグが常に自宅に保管されていたり、度々私的な使用が認められ場合などは、経費計上ができない場合もありますので、業務用のものであるなら職場で保管し、決められた使用方法を守らなければなりません。

◯商品券の購入 

得意先などに配るために商品券を購入する場合がありますが、購入した商品券を得先や関係者に配るのでなく自分のための物品を購入するために使用したり、金券ショップで換金しその現金を自分のものにした場合などは故意に経費をごまかしたとして罰金を含めた納税が必要になります。

商品券を購入した場合などは、その配布先リスト、金額などを明確にしておくことが必要です。

金額が大きい場合は、もらった方でも雑収入や雑所得として申告する必要がでてきます。 

また税務調査の際には、高額な商品券を配布した場合は、相手先にもらったことを確認する反面調査が行われますので注意が必要です。

◯架空の外注費の計上

税務申告の際、利益を圧縮するために架空の外注費を計上する場合がありますが、これは立派な脱税行為ですし、比較的簡単にその事実が判明いたしますので決してやらないでください。

大きな金額を計上できますので、利益を大きく減らすには適しておりますが、外注費は相手方があることですので、反面調査で相手方を調査するといとも簡単にわかってしまいます。

また巧妙に処理をして相手が収入として処理をした場合などは大変わかりづらいですが、相手先が収入として受け入れている場合は、相手方の所得が増えることでその分相手方の税金も増えることになりますので、正確な知識を有している場合は相手方も受入を断ってくるのではないでしょうか。

◯現金売上の除外

税務調査の際、その日の事業用の現金残高を聞かれることがありますが、その残高が現金出納帳などと著しく異なる場合は、現金売上の除外を疑っている場合があります。

また、売上が現金で毎日入ってくる業種や、売上を現金で集金するようなところは、現金管理には特に注意が必要です。

日常から、事業主の現金と事業用の現金は明確に区分し管理する必要があります。

また、通常売上が振り込まれる事業用の通帳でなく、個人の通帳などに売上金額を送金させたとしても銀行調査や売上先の反面調査から簡単に、架空口座に売上を送金していたことがわかります。

このようなことで、売上金の現金を意図的に除外し、売上を少なく税務申告をしても、税務署の反面調査や売上、仕入のバランスなどから、比較的簡単に除外金額が推定されわかってしまうことが多いようです。

以上、税務調査でよく問題になりそうな事項をご説明いたしましたが、これらの事項は、原則脱税になります。

調査後の修正申告の際には、経費等が認められなかった事により増加した所得とすでに申告をしている所得を合算したところで税額計算をして、計算後の正規の税額からすでに納付していた税額を控除して増差額を出します。

その増差額に35%の重加算税がかかります。

この重加算税と増差額分を合算したものが修正申告で支払う税額になります。

例を上げますと…

当初申告した際の所得金額が100万円で新たに100万円の経費が認められなかったために本来の所得が200万円になった。

当初申告した際の税額は 100万円×15%(法人税率)=15万円

本来申告すべき税額   200万円×15%(法人税率)=30万円

増差額        30万円-15万円=15万円

重加算税       15万円×35%=5万円

新たに必要な納税額   15万円+5万円=20万円

税務調査で100万円の経費が認められなかった場合、新たに20万円の税額とそれにかかる延滞税が必要になります。

これら納税資金を事前にプールしておければ大変にはなりませんが、支払った経費が認められない場合などはすでに支払が終わり資金はでてしまっているところに新たな税額を納付することになるため、大変困難になります。

バーチャルオフィス東京・銀座の記帳代行は、このように脱税になるような処理を訂正し、本来の正確な税務申告が可能になるようなお手伝いをいたしております。

是非ご相談ください。

下記、外部リンクとなります。